ミニレゾのミカタ

『ニートのいずみくん』の日記的なログ

六厘舎

2019 TOKYO 1

 

何度も同じ道を通って探した。

「グランスタ」という場所はいったいどこにあったのだろうか。あの扉の向こう側、あの黒くて、重そうな扉の向こう側にあったにちがいない。でも結局、見つけることは出来なかった。

そこに、寿司清(すしせい)という店があって、そこでは美味しい朝食が食べられるのだそう。体に染み渡るような優しい、日本人にも合う魚食を頂こうと思っていたさ。

本当の本当は、朝のバスが着いたらすぐに豊洲に向かいたかった。しかしながら、その日は市場自体がお休み。もともと、天皇のパレードが行われるために今年に限って祝日になったから。そのパレードを見るために東京へ来たというのに、それすらも中止なんてね。

まいっちゃう。

そんなこんなでぐるぐる東京駅の地下を歩いてたら見つけた行列。一時はスルーしたものの、グランスタが幻となってしまったので、やっつけな感じで最後尾にひっついた。

そこは、六厘舎。

事前に調べてた時も見つけていて、実はいこうかとも思ってたから、来れたことには実は嬉しく思ってる。

1時間待ちでやっと、入店できた。

それにしても1時間もかけて入りたいと思えるつけ麺自体も、飽食の時代でそんな風までして食べたいと思える人も、なんだかすごいことのように思う。

僕自身もその中にいたんだから、驚きだ。東京よ、これが幸せなのか。

 

僕にはよくわからない。

 

それでも、つけ麺は美味しかった。店内はとても慌ただしくって、1時間かけて入った割には、みんなあっさりと帰ってゆく。僕は食べ終えたお皿はちゃんとお返しして、ごちそうさまと伝えた。

いかにもベテランですというおばちゃんがいて、店内のことを見張っては、うまく回していた。でも、その風貌からは、優しさが溢れていた。

とても美味しかったです。どうもありがとう。

 

味の感想を。

つけ麺は、濃いスープに、一度冷水で冷めた麺をつけて食べるのが主流のようだけれど、ここは確かにあっさりしていた気がする。味自体はしっかりとあるけど、さらっとしている感じ。どろっとしていないから、くどくなかった。魚介ベースのスープは茶色を少し混ぜたような白濁色で、柔らかいのに厚みも食べ応えもあるチャーシューとメンマが入っていて、僕はトッピングに味付け卵を。これもまた美味しかった。ほどよい半熟で、味も色もしっかりついて目でも舌でも楽しむことができました。 

 

そうしてぼくもまた、せわしなく、次の目的地へ向かうのであった。