ミニレゾのミカタ

『ニートのいずみくん』の日記的なログ

ぼくの特性/親と子

ぼくの特性

ぼくは、色んなことをやりたいと思う反面、やりたいと思っていることなんてないみたいな顔をする。かといって、本当にやりたいことは何かと聞かれれば、うーんなんだろうかと頭を抱えてしまう。頭を抱えてしまう理由はふたつある。そもそも、たいていのことに無関心であることと、記憶力に大きな欠陥があること。関心があるということは、記銘する(脳に情報をストックする)に足る情報かどうかを判断する上でとても大切なポイントだと思います。関心・興味があるから、その情報を持っておこうと思う。反対に、そうでないのなら、記銘する必要もなく、それはそのまま保持することもできず、想起することもできないことを意味している。そもそも記銘できていない上に、記憶を保持できる量や時間があきらかに不安定。これは、ぼくの頭の情報処理能力が非常に低いからかもしれないけれど。

ぼくは記憶というものがとても曖昧ななかに生きているの。

だから、誰かと話すことはぼくにとっては実はとても難易度の高いこと。できないわけではなくて、できるのだけれど、難しい。難しい=できない、じゃない。できるけれども、難しい。だって、誰かと話すことって、もしもそれが断続的に続くものであるなら、前の話をちゃんとお互いが知っている・体で覚えているというのが、確かに僕たちは繋がっているということの証明になるから。でも、ぼくの場合は、ほとんど昔の記憶はないに等しい。すごく頑張って思い出さないと、だめ。

そのためか、初対面の人にはなんとなくうまくやれる。でも、これからも関係が断続的に続いていきそうな人だとか、なんども顔を合わせてしまう人とは、あんまり関わりたくない気持ちは、正直なところ、大きい。いつまでも共通の話題を見つけられないのだ。そして、見つけられたとしても、そのことは記憶に残らないことが多い。だから、探そうともしなくなってくる。そもそも、自分に相手と共通となるような「経験」や「知識」といった記憶が欠落しているのだから、困ったものなのだ。

そこがぼくが少しだけ変えたいところ。ちゃんと記憶を持ち続けながら、人と関わりあっていたい。難しいけど。そのためには、いっぱいたくさんの人と話をすることが大切なんだと思う。でも、やっぱり難しい。

親と子

ぼくが「持ってくるはずのふんどし自宅に忘れてきたわ」と言ったら、母が「パンツ置いてあるんだから、それ履けばいいじゃん」と言ったので「いや、ぼくふんどしだから」と言ったら「じゃあ作ってあげるわ」という話になった。

ぼくはぼくで作ったけど、母も母で作ってくれた。

針に穴を通す時に、顔を斜めにしながら目を凝らして針の穴と糸の先を合わせようとしていた。なんどもすれ違っては通らない。「やって」と母はいう。ぼくは黙って応じる。それから数分後、糸が抜けた。母はなんとか自分で針に糸を通そうとしていたけれど、しばらく入らなかった。そんな時、母はこんなことを言った。

いかんなあ、お母さんがこんな風にしてた時「何遊んでるの?」って思ってたど、本当にこうなっちゃうんだねえ....。

ぼくはその時思った。母は、老いたんだと。元気なように見えている母は、老いて、そしていつかは。

ぼくがまだ小学生の頃に、生活の授業で裁縫をしていて針穴に糸が通らなかった時に「何遊んでるの?」と母はいい、そのままぼくの針と糸を奪って、ささっと通してたものだ。すごいなあってぼくは感心していた記憶がなんとなく思い出される。だからこそ、ぼくは少し寂しくなった。母はやはりいなくなる。父もそうだ。

またも、友人の言葉がリフレインする。

「親に会えるのはあと何回?」

 あの人が、実の母を見ている時のあの表情の意味がわかったような気がした。ぼくはつい笑ってしまうけれど、あの人は微笑んで見ている。少し寂しそうな目で。ぼくは、その気持ちというものが、少しだけ、ほんの少しだけわかったような気がした。

母は老いた。父も老いた。

ぼくが少しずつできることが増えて、色んな面で支えることができてきたこととは反比例するように、支えられることが増えていく人の気持ちもまた、想像しがたい切なさがある。

支えるということが老いをより加速させてしまうのではないかという懸念も生まれた。でも、それは思い違いなのかもしれない。生きとし生けるもの、いつかは老いて朽ちて死んでいく。その前に子孫を残した。3人もの人を育てた人だ。強い人だ。

それでも、老いて朽ちて死んでいく。

親を介護している人は、本当に大変な思いをされている。実の母の老いの道を、その時間で持ってまざまざと見ながら、自分は支え続けているのだから。その心境は、えも言えない。

 

ぼくは、彼らの何を知っているのだろう。何をしてきたろう。何をしてもらってきただろう。何が好きなんだろうか。欲しいものはあるのか、行きたい場所はあるのだろうか。

 

 

 

ぼやけて、もう文字が打てない

 

 

 

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