聞こえなくてもいい声が聞こえる時がある
想像でしかない
妄想でしかない
そんな声が聞こえる
どうしても聞こえてしまうことがある
ほんの些細に一瞬だけ聞こえることもあるし
その状態がしばらく続くこともある
そんな状態になるのは
心にぽっかりと穴があくほどに寂しさを覚えたり
涙が溢れてしまうほど孤独に抱え込んでしまっていたり
我慢だ我慢だと言い聞かせながら笑おうとしていたり
そんな風にして自分というものが
深く深く布団のそこへと沈んでいくような時
その声が本当に聞こえているものなのか
それを確かめるために
触れられるはずのない声に触れようとして
僕はどうしようもない言葉を集めては投げて
その言葉がどこにも届かないことが分かるから
届かなかったらどうしようっていつも怯えているから
僕はまた沈んでいく
幻聴みたいに、実際の声として聞こえるわけではないし
僕にとって聞こえている声は「事実」ではない
ただの想像であり妄想でしかない
決め込んだ思い込み
僕はいつも恐れている気がする
僕には何もないって知ってるから
だから今あるものだけでも遠くへ行かないでほしいって
「何もない=失うものは何も無い」というわけではないから
僕には何もないけれど、大切なすべてがあるから
誰から見ても「貧しいな」と言われるような暮らしかもしれない
けど、この生活の中にこそ大切な全てがあるから
一つ一つがとても大きな、、、
言葉じゃ足りないよ
聞こえなくてもいい声が聞こえる
本当は聞きたくなんてない耳を塞いでいたい
耳じゃなくて心も思考もぜんぶだ
胸が痛む
涙が出る
声は聞こえる
でも届かない
どうしようもなくどうしようもなく
沈んでいく
ああ、また今日も眠れない
また今日も
ミニレゾ