ミニレゾのミカタ

『ニートのいずみくん』の日記的なログ

「かもめ食堂」を観て。

Amazon prime student の無料期間が7月末までだったから、最後に何をみようかということになった。先日、近所のコーヒー屋さんで見かけたレンタルDVD。タイトルは「かもめ食堂」。それをふと思い出したので、昨夜観ることにした。

とはいえ、夜の9時に観終わり、あまりに穏やかな空気は、僕を心地よい眠りに誘って、そのまま寝てしまった。

朝起きて、Amazonの名前を思い出して、衝撃が走ったことは言うまでもない。ま、起きたことは仕方ない。

 

それにしても、初めて観たこの映画は、とても良かった。

 

どんな作品よりも台本が薄いのではないかと言うほどに、言葉は「必要なだけ」に洗練されていて、かつ、とても日常的で平凡で丁寧な、生活の中におけるやりとりが淡々と描かれている。

 

時間が、流れている。

 

自分ひとりだけの世界観で、それを表現して、いつしか誰かが受け入れてくれる時を、ただコツコツと精進しながら待っていた。ある日、誰かが受け入れてくれるより先に、自分が誰かを受け入れる日が来る。2人の生活が始まって、正直、意見が異なることや方向性の違うことはあるけれど、お互いに目指そうとしていることは同じ。ただ少しだけ向きと、それにかけてもいい時間が違うだけ。だから、少しだけあなたの意見を聞いて、試してみるわ。そして、失敗をしたとしても、その失敗が私に次の道をみせてくれるの。それで、つくってみたのがシナモンロールなの。私の望んでいることが誰かに受け入れられるのは、誰かを私が受け入れた先にあるのかもしれないわね。そんなことに気づいたの。私の時間をあなたと共に過ごしたり、あなたの時間を私も共に過ごしたりすることで、私たちはよりひとつになれると思うの。精神的な意味でね。人生は、急ぐ旅ではないのだなと思ったよ。たとえ荷物がなくなっても焦ることはないわ。そんな時は、今いる場所で崩れ落ちて泣けばいいの。そのあとで、誰かに淹れてもらったコーヒーを飲むといいわ。コピ・ルアック。これは、豆の名前でもあるけれど、素敵な素敵なおまじない。世界一美味しいコーヒーの飲み方は、誰かに淹れてもらったコーヒーを飲むことなんだから。そうして、穏やか時間を過ごして、心を落ち着かせて。誘われるままに出かければいい。森へ、海辺へ、街へ。

私たちは、何処へだって行けるわ。でも、ここがいいの。ここでやりたいことがあるの。少し矛盾しているかもしれないわね。でも、そうなの。それでいいと思うの。

なぜって、人生は急ぐ旅ではないのよ。

 

そんなことを感じたよ。と言いつつ、物語になぞらえて書いてるだけだけどね。観て良かった。また観たいな。

 

明日は出発の日。短い旅だけど、急ぐことはないよね。愛する人が隣にいる。ゆっくりと手を繋げばいい。

そして、コーヒーを飲んで、息をして。

 

僕たちは、生きていく。

 

おはよう。